世紀末にやってきた、写真の未曾有の転換点


わが国全体にとって、バブル経済の沸騰から崩壊、

函館にとっても、北洋漁業の終焉や、連絡船の時代から飛行機の時代へとシフトした

昭和と平成の境目あたりが大きな転換点となったようだが、

写真の世界では、ミレニアムとその翌年の

20世紀から21世紀へと移るあたりが、未曾有の転換点となったと言えそうだ。


デジタルカメラが出現し、

長らく写真の世界を支えてきた銀塩時代が、

最初は緩やかに、やがて急速にフェードアウトへと向かう。


星野勲さんの『平成函館忘れない』の序文には、

そのころのことが書かれている。

一部を紹介すると次の通り。


 平成12(2000)年、市民会館へ成人式のスナップを撮りに行った時のことである。新成人から、「おじさん、シャッターを切って」と言われ渡されたカメラは、何とデジタルカメラだった。

 使い方が分からずまごまごしていると、「おじさん、これデジカメですよ」とすっかりバカにされてしまった。畜生、おれは何十年も写真をやっているんだ、と思ってもどうにもならない。それからすぐニコンの200万画素のカメラを買ってデジタル写真を始めた。

 撮った上がりをすぐに見られるのは便利だが、当時、メモリーカードはかなり高価だったから、フィルムの方が安上がりであった。

 しかし、新成人のおかげで人より早くデジタルの世界に入ることができた。今ではとても感謝している。

平成函館忘れない

短いようで長かった平成時代。その間の函館の出来事を振り返ります。新函館ライブラリの函館本とも連動しています