鮮やかで苛烈な、時代の境目

星野勲さんの写真集『平成函館忘れない』発刊にあたって


昭和が終わり、平成へ。

ちょうどこのタイミングで、日本経済はバブルに突入。

未曾有の好景気に酔いしれる中、

民営化により上場されるやウナギ上りに高騰したNTT株に触発され、

それまで投資とは縁のなかった庶民、若者

株式市場に色めき立った。


若いサラリーマンまでが、ダブルのソフトスーツに身を包み、

仕事が終わればディスコに直行。

おじさんたちは、おじさんたちで、

カローラからマークIIに、

クラウンやセドリックからセルシオやシーマに、

乗り換えるのがステイタス。


一方、北洋漁業や、北海道の玄関として栄えた函館は、

昭和の終わるほぼ直前に、その両翼をむしられた。

しかし、当時の写真を見返すと、

人々は元気に満ち、そんな暗さは感じない。


ときには昔の写真を眺め、記憶の誤差を修正するのもいいかもしれない。


青函連絡船待合室の建物を利用してオープンしたシーポートプラザ

平成2年7月撮影

星野勲写真集『あのころの函館を旅する』より

平成函館忘れない

短いようで長かった平成時代。その間の函館の出来事を振り返ります。新函館ライブラリの函館本とも連動しています