読むのは、できれば、帰ってからに

函館市電で訪ねられる100の見どころを紹介した

『市電でめぐる函館100選』。

これを携え市電でめぐるなんて

勘弁してくれの、重さ0.5キロもあり、

ガイドブックにしては少々でかいB5判だから

バッグをふさぎ、土産を買う妨げにもなる。


こんな本をつくろうと思い立ったのは、

京都から函館に来ていたときの自分の経験がベースにある。


乗り放題でたったの600円という

市電の1日乗車券を買えば、見どころはたいてい網羅。

それでまた、その見どころというのは、

「えっなぜ、こんな所にこんなものがあるのだろう」と

理由を知りたくなるような

興味深いものがたくさんあった。


いつも日程に余裕をもって来ていたフリーターの私は、

疑問を解決するため図書館通いをしたのだが、

勤勉な勤め人のみなさまには

そんなヒマ人の真似はできない。


ならば、図書館に行かなくても

函館の謎がある程度、解けるような本があってもいいではないか。

100のスポットに関して、その歴史的、文化的背景を

必要にして十分くらいに紹介するのだ。


函館観光に来る人は、

まずは身軽に、先入観もないまま自由気ままに函館をめぐり

気になった場所については、この本を買って帰って

自宅でじっくり読めばいい。


1回の函館旅行で100カ所めぐるのは到底無理だが、

自宅でこの本を読みながら、

「あっ、まだこんな所もあったのか。また行こう」

なんて思ってもらえたら、なお良しだ。


発売当初は函館空港の売店にも置いてもらえた。

空港の売店なんて、ほぼ全員、帰りがけによるわけで、

観光案内だったら誰も買わないだろうか、

こういう狙いなら大丈夫かもしれない。


そのとき作ったPOPのキャッチは

「函館の歴史と文化をお土産に」


しかし空港売店からの追加オーダーは

半年もすると途絶えてしまった。

平成函館忘れない

短いようで長かった平成時代。その間の函館の出来事を振り返ります。新函館ライブラリの函館本とも連動しています