2022.04.21 00:59平成写真本2作、タイトルの差を自己批判星野勲さんの写真による『平成函館忘れない』(令和4年3月26日刊)と自分の写真で構成した『好きな函館 好きだった函館』(令和3年10月20日刊)。どちらも基本的には平成の函館を撮った写真で構成している。いずれも少部数の発行で、前者は公称300部、実数400部、後者は1000部。少ない部数とはいえ、北海道新聞「みなみ風」での紹介効果もあってか星野さんの『平成函館忘れない』は、一昨日、取次に追加オーダー40部を渡した後、手元に残ったのは僅か2冊で版元からほぼ捌けてしまった状態となった。弊社としてはめったに起こりえないことでもっと刷っておかなかったことが悔やまれるほど。一方、『好きな函館 好きだった函館』は只今版元在庫が535部。出て行った465部がすべて売...
2022.04.07 12:00聞き書きの真意今度の新刊『平成函館忘れない』のクレジットは「写真 星野勲、聞き書き・構成 大西剛」としている。これはあくまでも「聞き書き・構成」であって「取材・構成」にはあらず、である。
2022.03.26 14:10電停を撮る。日常の記録星野勲さんによる平成函館の写真集を編集しながら、つくづく、当たり前の風景を撮っておく、ということの貴重さを感じた。そう感じさせた1つが、平成16年7月に撮られた函館駅前電停。
2022.03.19 00:47写真集であって、写真集らしからぬ『好きな函館 好きだった函館』は、写真集ではあるけれど、写真集とは言い難い面もある。掲載した200点を超える写真のほぼすべては、写真的な部分を犠牲にし、細部(ディテール)の分かりやすさに徹して、修正しているというのか、その理由。その典型は、表紙にも使ったこの写真。
2022.03.18 06:35「出版ひとり」の10周年『好きな函館 好きだった函館』を出したのは、昨年の令和3(2021)年10月。平成23(2011)年9月に、1人で出版を始めてからほぼ10周年にあたる節目だった。タイトルに「創立10周年記念出版」と冠を付けたいところだが、ヒット作もなく、相変わらず1人のままの零細企業。冷静に考えて、「10周年てったって、おたくなんか知りません」と言われるのが落ちだろう。そんなわけで内容的にも、「ひっそりとこの10年を振り返る」みたいな感じで私がこの間、函館で目にした印象的な風景を選んで短文を付けた。「好きだった函館」というのは好きだけど嫌いになった、という意味ではなくて、好きだけど、もうなくなってしまった建物や風景も収めました、という意味。この意味を汲み取ってもらえな...
2022.03.17 11:20物価の優等生にしては割高ですが「大野村から大野町」といってもピンとこないかもしれないが、北海道新幹線の現時点での終着、新函館北斗駅のある町の写真集。現新函館北斗駅となる旧渡島大野駅のプラットホームが表紙である。編集者すらよく知らなかったという大野(現北斗市)の風景ばかりだが、終戦の面影まだまだ残る町の様子、女性や子どもの服装、お祭りに町制祝賀の宴会風景などなど、年配者なら誰にとっても懐かしい戦後日本の原風景を垣間見られる。若い人には、逆に新鮮に映るかもしれない。
2022.03.17 08:40自粛警察がいなければコロナ禍でお上からは移動制限、外出制限。片や民では「自粛警察」という中国の防犯カメラ網も顔負けの市中パトロールが勢いづいた。パチンコ関係、宿泊関係、交通関係とまではいかないにせよ、出版業も無防備なまま旅行ガイドなど出版すれば、いつ槍玉に挙げられるかわからない。無名企業は、それもまた名前が売れてありがたいという面もあるが、「自粛警察」への対抗意識が燃え上がった。よし、喧嘩を売ってやろう。たった1人で、3密さけるなら、どこへ行こうが文句は言えまいと、満を持して世に問うたのがこの本だった。「お一人様」というタイトルにちなみ、表紙、奥付、裏表紙には、函館の誇るお一人様を登場させた。発行してから1年半経つが、いまだ炎上とは無縁である。自粛警察も手を出せなかった、...
2022.03.16 21:562階に上げて梯子を外す出版めざして近ごろの観光情報誌や観光ガイドブックには馴染めない。どうも懇切丁寧すぎるのだ。この町に着いたら、まずどうしてこうして、それから云々…歩く道、訪ねるスポット、食べる物に土産物など手取り足取り教えてくれる。行く前からどんな所か、何があるかがイメージでき、そのイメージに沿って町をめぐる。それではまるで書かれたことの確認の旅。わざわざお金と時間を使い、遠くに出かける。それは何よりも、自分の身の回りにない魅力、要するに未知を求めて行くのが旅だと思うが、行く前からの種明かし。犯人を知らされてから推理小説を読むような、今で言うならファスト映画のようでもある。余計なお世話は、する方もされる方も勘弁してくれなどと思いながら、函館のガイドブックを出版する。ならば、不親切に...