市電と都電、市電に都電

函館市電と東京都電は縁がある。

線路の幅が同じなのだ。


日本の鉄道の線路幅は圧倒的大多数が1067ミリ。

また新幹線の線路幅は1435ミリという世界的に「標準軌」と言われる寸法だ。

函館市電と東京都電のほか、わずかの路線が1372ミリ。

この線路幅は馬車鉄道時代の標準であり、

函館市電も東京都電も、その前身は馬車鉄道だった。


昭和9年、函館に世界3大大火に数えられる大火災が発生する。

市電(正確には当時は私鉄の路面電車)も車両が丸焼けで運行不能に陥るが、

線路幅が同じの東京都電から、車両の提供を受けるのだ。


時は流れ平成の時代。

確か今から12年前の平成22年まで、東京都電のお下がり車両が函館市電を走っていた。

さらに2年前の平成22年秋、そのとき私はまだ函館に移住前で、

たまたま旅行で来て乗った市電の車内で

「東京都電7033号」というシールを見つけて驚くとともに、

その昔の学生時代に聞いた

「昭和53年に廃止となった京都市電の車両が、広島の路面電車で使われている」

という話を思い出した。

(ネットで調べたら、元京都市電車両は今も現役とか)。

さて平成22年まで函館市電で活躍していた元都電車両は、

引退後、函館牛乳の牧場のようなところに引き取られた。

函館空港の近所である。

私も一度、再開できたが、今はもう撤去されてしまったらしい。

平成函館忘れない

短いようで長かった平成時代。その間の函館の出来事を振り返ります。新函館ライブラリの函館本とも連動しています