アジサイ屋敷

当たり前のものなのに、仰天させられる。

それがまた痛快で、私には函館の魅力となった。

その最たるものがアジサイだった。


関西人の私にとって、どう考えてもアジサイは梅雨の花。

(花に見えるのは萼であり、正しくは花ではないそうだが)

なのに函館では夏が過ぎ、ものによっては秋が終わろうとするころまで

アジサイが咲き誇る。

北国とはいえ、何という季節のズレだろう。


そして剪定しないのがこちらの流儀なのだろうか、

ドライフラワー状態で、多くは姿をとどめたまま冬を越し

次の季節に新しい花と同居する。


10年もこちらに暮らしていると、

さすがにもう季節のズレには慣れたけれど、

いまだ鮮烈に覚えているのは、

観光銀座の港ヶ丘通りのアジサイ屋敷だ。

(下の写真は2008年9月の末)


その後、屋敷を利用して開店した焼烏賊屋もまた、インパクトがあったが、

あまり長続きしなかったようだ。


屋敷は取り壊された後、ずっと更地のままのようだ。

令和3年6月に撮影。跡地の間口中央右に、花をつける前のアジサイが見える。

すごい生命力


平成函館忘れない

短いようで長かった平成時代。その間の函館の出来事を振り返ります。新函館ライブラリの函館本とも連動しています