電柱が先か、スナックが先か

場所は函館、大門の外れ。

大門グリーンプラザの若松広路側の突き当たりから

函館駅方面に1筋行った角のすぐ近く。


10年以上前の冬のことだが、

この風景に遭遇し、しばし悩んだ。


今もスナックが営業していたならば、

電柱のせいで、客はずいぶん入りにくかろう。

はたして、スナックが現役のころ

この電柱はすでにあったか、なかったか。


いくら何でも、店の入口の前に電柱は建てまい。

ならば電柱の出現は、スナックが営業を始める前か、やめた後。


仮に、営業を始める前だとしよう。

電柱が前をふさぐような位置に入口を設けるはずもない。


となると、電柱はスナックが営業をやめてから、

と考えるのが妥当のようだが、

この風景に遭遇したころ、

よそ者の私はすでに、往年の大門の繁栄神話を聞いていた。


あたり一帯、飲み屋がびっしり並んでいた。

この場所もそういう一角だった、と。


ならば、電柱で客が入りにくいのは百も承知で

建物ができ、スナックが開店した、という線もあり得る。


水道、ガスの配管だとか、何らかの設計上の理由で

仕方なしにこんな位置に入口を設けた。

それでも当時の大門なら客が入った。

あるいは、少々の不都合は目をつぶらないと

当時の大門では場所を確保できなかった…


誰かに聞けばわかることかもしれないが、

個人的には、電柱なんて何のその、でスナックが開店したと信じたい。


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